20051115
2005.11.15
>背筋が凍るような事件が続いています。犯罪は加害者被害者とも年齢、教育、男女性差の壁を越えてきています。また中には高度な専門的知識を必要とする犯罪もあり、ただ驚くばかりです。これら犯罪に巻き込まれたご子弟の親御さんたちの気持には、悔やんでも悔やみきれない痛み、辛さがあるでしょう。ご同情申しあげます。数年前の“不動産業者、女子大生殺害事件”をふと思い出しました。それは栃木県から上京、東京の学生会館に住み始めた女子大生が、翌年からマンションでの一人暮らしをと考え、物件案内に帯同した不動産業者に殺害されるという悲惨な事件でした。ここ数年、束縛される学生会館の暮らしを敬遠する女子大生が増えています。マンション生活なら、気が合わない人とは会話しなくても済む、門限などの束縛もない、異性友達の出入りも自由といった、きままな一人暮らしに憧れるようです。“安心できるから学生会館に住んで・・・”と願う親の気持とは裏腹に、一二年もすると学生会館からマンション暮らしに変わりたいと希望する女子学生が増えています。しかし、二十歳前後の女子大生に都会の本当のキケンは判ってはいません。成長期を親元で、また地域的に安心できる環境で育ってこられた彼女らに、たった一、二年の都会暮らしで、一人生活に必要な防犯意識や知識が身についたとは到底思えません。
それは学生会館を営む者の意見だ、と一蹴されるかも知れませんが、当館からマンションに引越ししたOGの多くが、「ここでの生活が本当に安心できるところだった」と本音を語ってくれています。学生会館暮らしには安全だけでない、価値観の異なる者が触れ合うことや制約・規則遵守から生まれるメリットも多いのです。安全は装備や設備などハード面より心や意識などソフト面での対策がなによりです。一人暮らしはもっと慎重に考えてからにしてと願うばかりです。