ハのハナシ
2006.04.30
昨夜9時半ごろ、ある館生(ドミトリーほり在館2年生)から電話がかかってきた。
電話口の声は半泣き状態。かなりの動揺、もうパニック状態に近い。もしや、帰館途中不審者に遭遇かと一瞬ヒヤッとしたが、どうやら違うようだ。
「ハが・・。後ろから押され、前歯を・・・。至急歯医者の手配を・・・」
ハナシが見えない。ハがナイことは分かったが・・・・、ハガユイ?
「ハは分かった。ほかにケガはないの?」
「今、どこ?」「折れたのは一本だけ」などと質問しながら落ち着かせる。
何回か聞きなおした結果、“友人らとの集りで、ワイワイやっているとき、仲間に後ろから押され、顔から転び、前歯を一本折ってしまった”と。ほかにはどこもケガはないので、まずはよかった、よかった、ひと安心。
本人は、自前の前歯がなくなったことがかなりのショック。
「ハが・・、ハが・・。探して、拾いました。でもハがないんです!」
「もうそれは分かったから。ハが一本折れてもたいしたことないヨ。差しバにすれば支障ないし・・・。差しバはいいよ、虫バにならないし、いつまでもキレイだし」と冗談を返すも、彼女まったく余裕なし。
「差しバって、入れバのことですよネ。いやだ! 入れバをはずしてハを磨くなんて、絶対イヤです」「折れたハは、もっているんです。くっつきませんか」
「わかった、わかった。とりあえず、早く帰ってきなさい。日曜日に開いている近くの歯科医を探しておくから」
そして彼女、10時半ごろ帰館。会って話を聞くとボロボロ涙をこぼしながら、入れバは絶対イヤです、を繰り返すばかり。帰りの電車の中で悲しくてず~っと泣いていたとのこと。周囲の人が驚いていたのでは、と聞くと、「そんなことどうでもいいんです。ハをはずしてハミガキすることのほうが恥ずかしい。そんなこと絶対にできません」と。
そして今朝一番で、家内と二人で近くの歯医者に行きました。しばらくして戻ってきた表情は、すっかり安心した顔。折れたハは無事にくっ付いたそうです。なんでも歯医者のハナシでは、時間は短いほうがよいらしく、あまり時間が経過すると色が変色してしまうらしい。また折れた部分が大きいと残されたハの神経が露出し、再生(くっ付き)が悪いとのこと。今回は時間も短く大丈夫だったようだ。歯医者は折れたハのことより、虫歯を見つけ、そっちの治療のハナシばかり。彼女「来週、虫歯治療予約してきました」と。
新入館生の一人暮らしは順調に進展しているようだ。S.Kさんのハンバーグステーキを披露しよう。はじめて自分で作ったハンバーグ。夜、「見てください」と持参。早速、記念の証拠写真とあいなった。