注意掲示
2021.08.27
当館の近くに駒場公園があります。ここは歴史的重要文化財の旧前田侯爵邸のお屋敷とお庭が保存され、公園として一般開放されています。なかなかのもの、一見の価値ありで、小生もここで写真を撮ることがよくあります。
さてここで撮影していた時のエピソードをひとつ。
ある館生の大学院卒業記念写真をここ駒場公園で撮っていたときのこと。いや撮ろうとしたとき、「許可は得ていますか?」と、男二人からいきなり注意を受けました。
「個人的な写真ですが・・・」と応じ、商業的写真撮影でないこと説明し事なきを得ましたが、なにやら高圧的で感じよくありません。カメラを持った爺さんとはかま姿の若い女子、一見して卒業式の写真撮影だとだれでも理解できる状況です。写真撮影はできましたが後味悪です。
後日、振り返ってみて私が管理する側の人間だったらと考えてみました。
「ご卒業ですね、おめでとうございます。お嬢さんですか? お孫さんですか? ほかの人に迷惑にならないようお願いします」
とやわらかく注意できたと思うのですが・・・。
ここ駒場公園の管理にはほかにも少しばかり文句言いたいことがあります。
その一つが公園内には美的センスの欠片もない張り紙や赤いパイロンがやたら目立つことです。これらの掲示物が映らないような撮影ポイントを探すのに苦労するほど。
この屋敷が接収されたとき、内装をペンキ仕上げにしようとした司令官に対し前田さんの奥様が猛烈に抗議、米国人の美的センスと文化意識の低さを嘆いた逸話が残ります。
さて今日、どこに行っても警告掲示や注意書き看板ばかりが目立つこの頃です。あまりに掲示が多すぎて役目が果たせないのではと心配になるほど。
注意書きさえ掲示すれば責任は回避できるという傾向が強いように思われます。なにか良い方法がないものでしょうか。