2006.06.16
夜、館生O.Cさんの帰館。
「おかえりなさい。お疲れ〜さま」とヤツガレが言葉をかけると
「ただいま帰りました。・・・・明日、晴れますか?」と聞かれた。
限られた時間の中、週末は洗濯に集中したいのだ。洗濯物に陽の光をたっぷりと浴びさせてやりたい、と誰しも思う。しかし残念ながら明日の予報は曇りだ。
「曇りだけど・・、日曜日からはまた雨の予報。やるなら明日しかないヨ」
ヤツガレの会社員時代、雨天は満員電車の中、濡れた傘がスーツに触れるなど嫌なこともあったが、気が滅入ることはなかった。ところが、通勤もなく一日の大半を家の中で過ごす現在のほうが、雨空をみると憂鬱になる。大きな原因の一つが家事にある。雨の日は窓が開けられない、フトンが干せない、洗濯物も乾かない、館内の換気もできない。だから館生の気持ちは良くわかる。
今日は館内にあるディスプレー棚を掃除した。ガラス張りだからさほど汚れないので普段は掃除の対象から外れている。年一回程度しか行わない。掃除はディスプレーされているm&mグッズのレイアウトの変更もあわせておこなう。いやむしろ陳列を変えることがメインだ。いただいたり、あらたに購入したm&mグッズは空いたスペースに“とりあえず”と、ただ置くだけになっている。“いつかきちんと並び替えよう”と考えるのだが、なかなか手がつかない。そこで今日、思い切って並び替えを行った。
雨天ならではの仕事だ。雨も発想を変えればそれなりに効用が見出せる。
館生I.Yさんの父が来館された。北海道への出張の帰りムスメのところに寄ったのだそうだ。I.Yさん、今夜は父の泊まるホテルで久しぶりに親子水入らずだそうだ。
「おいしいもの一杯食べてきてネ」とヤツガレが声を掛けると、I.Yさん嬉しそうな表情を見せてくれた。
2006.06.15
昔の会社仲間からメールが届いた。久しぶりに逢おうということに。そして今日出かけてきた。場所は銀座、いつもの居酒屋とは違ってフレンチとあいなった。
ヤツガレ会社を辞めたのは今から5年前。変化の激しい企業環境、もうすっかり会社の話しを聞いてもピンとこない。ヤツガレの後輩の中には出世して役員になっている者もいる。役員にならずとも中枢を担ってそれなりに活躍しているようだ。
聞いていて嬉しくなった。みなガンバレ!
話しはさかのぼり、約束の場所、銀座に向かうべく代々木上原駅に行く途中のこと、上原銀座商店街の横断報道で今春当館を卒館したN.Mさん(名古屋出身)と遇った。
「元気ですか?」とすれ違いながらの挨拶。一瞬、誰という顔を見せたが、すぐにヤツガレと気づき笑顔で返してくれた。ほんのすれ違いだったが元気でやっているようだ。
当館を退館されてもこの街、代々木上原が気に入って、この地に住み続ける元館生も多い。N.Mさんもその一人だ。
話しは下って、そして今度は銀座からの帰りのこと、表参道駅で銀座線から千代田線に乗り換えたところでまた元当館の館生に遇った。こんどは平成14年に当館を卒館されたT.Aさん(栃木県出身)、同じ車両、それもヤツガレの目の前。声を掛けると「あっ」と大きな笑顔で挨拶。もともと美人のT.AさんだがOLになって、さらに洗練されたようだ。
「どこの美人かと思った。ドミトリーほりに入館してきたときは高校を卒業したばかりだったのが、こんなにリッパになって、ビックリだ」
「もうドミほりを出て、社会人になって3年経ちました」
T.Aさんも代々木上原の住人だ。それも駅のすぐそばに住んでいる。
昨日に続いて当館を卒館された元館生に立て続けに逢っている。みなどんどん成長していく、大人になっていく、遇うと元館生も当時を懐かしんでくれる。ヤツガレにとってもこの上なくなく嬉しい気持ちになった。
2006.06.13
残念! 期待ハズレ 試合前にはかなり盛り上がっていたのに。終盤、残り10分ほどで局面は急展開。3点も入れられるとは。ガックリ。テレビ中継のエンディングも観る気にならず、テレビのスイッチを“パチッ”。
「もう始まっていますか? いそがなきゃ・・」と試合開始に間に合わそうと急ぎ帰館したⅠ.Mさん。部屋で館内の友人とテレビ観戦する約束だそうだ。あわただしく階段を駆け上がって行った。
待望の日本が得点を入れたとき、E.Yさんが帰館。
「えっ、日本リードですか。誰が入れました?」「観なきゃ・・」と。
O.Cさんは11時少し前に帰館。
「電車が異常に空いていました」と言いながら、急ぎ部屋に、後半戦を観るとのこと。
ときおり“キャー”という悲鳴が聞こえる。
執拗に続く豪軍の波状攻撃。日本のゴールが攻められるたびに上がる悲鳴だ。
サッカー好きのK.Aさん、代々木体育館でサポーターとして応援だ。さぞかし落胆のことだろう。だが、館生の中には「そんな余裕ありません」と言いながら試験勉強に余念のない館生もいる。
今日、おととし当館を卒館されたT.CさんとG.Yさんが遊びに来てくれた。
玄関をくぐるなり「懐かしい〜」「相変わらずキレイだわ〜」と。
ヤツガレに家内も交え、しばらく昔話や近況を聞かせてもらった。
就職内定を取得したことや国家公務員試験の発表待ちなどそれぞれに将来に向けて着実な歩みを聴いた。当館にいたときと変わらない二人のハツラツさと元気さに、ヤツガレも嬉しくなった。昨晩味わった暗いムードも二人に会ったことでスッカリ晴れた。来年から始まる社会人としての覚悟、そして残された学生生活を楽しむプランにも話しが及んだ。
それぞれに個性、持ち味が活きている。ヤツガレにとって成長していく彼女らをみるだけでも嬉しいのに土産までいただいた。なにより嬉しいm&mグッズだ。写真は彼女たちといただいたm&mグッズ。
2006.06.12
運動不足解消を目的に歩いてきた。ここ数日、雨に見舞われていたので外出を控えていた。今日は雨は降らないと見込み、少し距離を伸ばし、六本木ヒルズまで出かけた。
途中、乃木神社に寄って乃木邸を見てきた。こじんまりした家だ。質実剛健、質素な生活を旨とした人物だけに粗末とも見える家だ。今日、公園となっているこの地に一匹の猫がいた。この猫、ヤツガレが近づいても動じない。カメラをむけても何処吹く風だ。
その泰然とした姿に惚れ、写真に収めた。乃木大将の血をひいたか。写真左
乃木希典。寛永2年(1849年)に生まれ大正元年(1912年)没。明治天皇の後を追って夫妻で自殺した。現存する邸宅は窓から中が見えるようになっている。そして「自殺した部屋」と案内表示が出ていた。ヤツガレのほか誰もいないだけに少し気味が悪い。
乃木希典、よもや自分の居宅が他人から覗かれるようになるとは思ってもいなかったことだろう。
このあと六本木ヒルズにまで足を伸ばした。あとで分かったことだが乃木希典は現在六本木ヒルズが建っている地が生誕の地だそうだ。六本木ヒルズは華やかな建物だ。
乃木希典のポリシーとは180度異なる。
六本木ヒルズをはじめ、このごろ出来る建物は外壁をガラスで囲む建物が多い。陽を浴びて輝く姿を見ろといわんばかり。華美を競い、豪奢であることを誇示する。
外壁がガラスだから外から見える。後世に見せるのではない、今を見せるのだ。だが皮肉なことに、ここに本社を構える今話題の企業の中身はサッパリ見えない。
帰路、原宿で完成を目前にしたビルを見た。写真右 なんと下から上まで総ガラス張りだ。六本木ヒルズの比ではない。見事なまでに完璧なガラスの城だ。ついにここまできた。
一週間の始まりだ。朝、登校する館生、月曜日ばかりはやや気が重そうだ。
「行ってきます〜」の声も心なしか元気がないように聞こえる。ただでさえ低いテンション、くわえて曇り空だからなお一層だ。だが雨ではない。